時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

ホップの香り

暑い暑い日が続いています。

雨が全く降らなくなり、いつもなら車道の真ん中に草が伸びて、車高の低い車で来る友人が迷惑がっていましたが、今年はその草も枯れてしまっています。

湿気が殆ど無いので早朝は肌寒く、日中は焦げつく暑さです。

 

私の住むエルボルソンは、ビールの原料のホップの産地です。スペイン語ではルプロと言います。

我が家にもルプロの株があり、放ったらかしにしていますが、春に芽を出し、蔓が伸びて花をつけます。今年はあまりの乾燥で殆ど目立ちませんが、枯れきってしまう事はなく、また来年には芽を出します。

 

ここへ来た頃は、自然の物をなるたけ食べたいとせっせと野草を摘んでは調理していました。

 

私には少し厄介な持病があり、その病気を克服して活躍しておられる森美智代先生の著書を数年前に読んで、考え方がガラリと変わりました。

子供の頃から疑いもしなかった栄養とか、1日三食という事に疑問を持つ様になり、普段は一人という事もあって、殆ど手の込んだ料理は作らなくなりました。

そういう訳で、以前はホップの新芽をおひたしや天ぷらにしていましたが、ここ数年は食べていません。でも季節の恵みを感謝する意味で、初物は頂かなきゃと反省しています。

 

ホップのことに話を戻します。

利益を追求して栽培する場合、化学肥料や農薬を使っているようですが、家庭で楽しんで栽培するときはそんな事しません。気候と土壌がホップにぴったりなのか、湿気があり、気温が我が家より高い地区では何もせずに、大きくて綺麗なホップを育てお茶用に収穫しています。

先日も友人の家に行くと、大きなホップの花を乾燥させていました。あたりにプンプンホップの香りが漂っていました。

私は体質的にお酒が飲めず、飲みたいとも思いませんが、お付き合いでグラスに半分くらいのワインや日本酒は楽しむ事が出来ます。ところが、ビールだけはどうしても飲む気になれません。炭酸と、ビールの苦さが苦手なのです。

汗をびっしりかいた後のビールは最高だ!という人が多いですが、ゴクゴク飲むと姿を見ていると、こちらの喉がチクチク痛くなってお腹が張ってきます。

 

という訳で地ビールの産地にいながら、飲み比べた事もなく、何が何だか全然分かりません。観光客が増えてから、それに正比例するように地ビール銘柄も増えました。 でも一番のこだわりは(儲け)なので、大量生産できるよう原料は買っている所が多いように思います。

ここでは結構ビールを家庭で作っています。作る人は自分が楽しみたいので売ってはくれません。そういうビールはきっと美味しいでしょう。

麦芽から手作りしたら、最高に美味しいビールが出来ます。ビール苦手の私が美味しいと思ったのは、後にも先にもその一杯のビールだけです。

でもそれだけ美味しくても、もう一度作ろうという気にはなれないので、私はやっぱり怠け者で面倒くさがりで、ビールが好きじゃ無いんだと思います。

 

写真はホップ農場です。夏の終わりに蔓で伸びたホップの株を根本から刈り取って収穫します。でも翌年はまた残った根から伸びて行きます。どうやってホップの花だけを機械で摘み取るのか聞こう聞こうと思いつつ未だに実行していません。調べてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:nojomallin:20210307225909j:plain

友人宅のホップ

f:id:nojomallin:20210307230207j:plain

ホップ栽培農場