時子のパタゴニア便り

1994年パタゴニア アンデス山脈の麓の村の5’5ヘクタールの土地に移住。ささやかな自然との暮らしの中で感じた事を書いていきます。

贅沢だった。私の暮らし

日本へ帰国する時、一生に一度くらい贅沢してビジネスクラスで帰ろう!と思いました。

今回の日本帰国は、お世話になった方々に直接会ってお礼をしたかったので、ほとんど毎日移動の予定でした。ですから日本へ着く前に体調を崩してしまっては、元も子もありません。

そうそう日本帰国の機会があるわけでは無いし、一度くらいならビジネスクラスで旅行出来る物を姉が遺してくれていました。

それで「よーし!ドケチで貧乏性の私を変えよう!」と一大決心して張り切って計画を立て始めました。

 

でも私は格安航空券のエコノミークラスで、日本アルゼンチン間を往復しました。

そしてそれで良かったと思っています。

 

荷物を持っての一人での移動や、飛行機の乗り換え、乗り換えの待ち時間。今の私の状態で不安がなかったわけではありません。でも不安は、起こってもいないことをあれこれ心配して悲観的に考えてしまう事だと思い直しました。不安は自信を無くします。私は自分を信じようと決めました。

するとビジネスクラスに乗る事が贅沢じゃ無いと気付きました。

私はエコノミークラスで旅行できるだけの体力も気力もある。エコノミークラスの旅行を楽しむことが出来る。その方が、ずっとずっと贅沢な事だと思いました。

 

飛行機が遅れて乗り換えが間に合いそうもなくハラハラしたり、言葉の通じない空港でドキドキしながら走り回ったり、座席の隣がおデブさんじゃなくってホッとしたり。

エルボルソンから首都のブエノスアイレスまで寝台バスで24時間。ブエノスアイレスから日本まで飛行機で合計約23時間、それに乗り換えや待ち時間を合わせると30時間。

決して短く無い時間でしたが、楽しく面白く元気に無事に過ごせた事を感謝しています。

 

自分の意思で動く体。伝わる言葉が言える口。

見える。聞こえる。話せる。歩ける。眠れる。息が出来る。噛める。飲み込める。消化できる。

トクトクと動く心臓を感じながら、生きている自分、パタゴニアで暮らしている自分を最高に贅沢だと思います。

 

 

 

 

 

 

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